明日もきっとマイペンライ by ごったい

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発音 基礎の基礎


タイ語は子音+母音、もしくは子音+母音+子音で構成されています。さらに声調という要素も加わって音節が成り立っています。タイ人の性格とは対照的に(笑)タイ語は発音にシビアな言語ですので、カタカナで覚えた発音ではタイ人には通じません。タイ文字を覚えるとはいかなくても、発音はカタカナではなく発音記号で覚えるようにしましょう。ごったいでは声調・発音記号を正確に表示することができます。

声調

タイ語には5つの声調(音の高低、上がり下がり)があります。同じ発音の言葉でも、この声調が違うだけで全く意味の違う単語になります。

หมาmǎa
ม้าmáa

maaという発音で、5つの声調について説明します。

1平声maa「マー」と普通の高さで平らに声をのばす
2低声màa平声よりも低い声で平らにのばす
3下声mâa高いところから音を下げる。驚いた時の「まあ!」
4高声máa高いところからさらに尻上がりに上昇させる
5上声mǎa低いところから音を上げていく

母音

タイ語には9つの母音があり、それぞれ短母音と長母音があります。

i, ii日本語の「イ」「イー」と同じ
e, ee口を横に伸ばし日本語の「エ」「エー」を発音する
ɛ, ɛɛ口を大きく開き「ア」と「エ」の中間のような音を出す
ʉ, ʉʉ日本語の「イ」の横に開いた口で「ウ」「ウー」と発音する
ə, əə口を半開きで「ア」と「ウ」の中間のような音を出す
a, aa日本語の「ア」「アー」と同じ
u, uu口をすぼめ唇を突き出して、「ウ」「ウー」と発音する
o, oo口をすぼめ「オ」「オー」と発音する
ɔ, ɔɔ日本語の「ア」の口のように開き、「オ」「オー」と発音する

日本語にない音、特に ɛ, ʉ, ə は最初は難しく感じると思います。日本人にとってはなんだか間抜けに聞こえてしまうので、発音するのが恥ずかしと感じてしまうかもしれませんが、ステップアップするためにも、タイ人になりきって発音しましょう。

発音のコツですが、ɛ は長渕剛の『とんぼ』の中の「薄っぺらのボストンバック」の部分の「バ(bɛ)」の音です。ʉ は口を横に引っ張り続ける意識が大切です。ə は口をだらしなく半開きにし、疲れ切ったうめき声のように「ア」と「ウ」の中間の音を出すイメージです。


上記の他に、次の3つの二重母音があります。

1iaiの後に軽く「ア」を添える感じで「イーァ」と発音する
2ʉaʉの後に軽く「ア」を添える感じで「ウーァ」と発音する
3uauの後に軽く「ア」を添える感じで「ウーァ」と発音する

ʉa の発音は最初は難しいと思います。しっかりと口を横に引っ張った「イ」の口で「ウーァ」と発音する必要があります。

頭子音

頭子音とは音節の先頭に置かれる子音のことです。 タイ語には全部で20の頭子音があります。

k-日本語の「カ行」を息をもらさないように発音する(ガ行に近い)
kh-日本語の「カ行」を息をもらしながら発音する
ŋ-日本語の「ガ行」を鼻にかけて発音する(ンガに近い)
c-日本語の「チャ行」を息をもらさないように発音する(ジャ行に近い)
ch-日本語の「チャ行」を息をもらしながら発音する(チャ行とシャ行の中間のような音)
d-日本語の「ダ行(ダ・デ・ド)」と同じ発音
t-日本語の「タ行(タ・テ・ト)」を息をもらさないように発音する
th-日本語の「タ行(タ・テ・ト)」を息をもらしながら発音する
n-日本語の「ナ行」と同じ発音
b-日本語の「バ行」と同じ発音
p-日本語の「パ行」を息をもらさないように発音する
ph-日本語の「パ行」を息をもらしながら発音する
f-日本語の「ファ行」を下唇を噛むようにして発音する
m-日本語の「マ行」と同じ発音
y-日本語の「ヤ行」と同じ発音。ただしyi-は「イ」と「ジ」の中間のような音になる
r-日本語の「ラ行」を巻舌で発音する
l-日本語の「ラ行」と同じ発音
w-日本語の「ワ行」と同じ発音
s-日本語の「サ行」と同じ発音。ただしsi-は「シ」ではなく「スィー」のような音になる
h-日本語の「ハ行」と同じ発音

k-, c-, t-, p- の音を無気音、kh-, ch-, th-, ph- を有気音といいます。最初は無気音がとても難しく感じると思いますが、発音する前に一瞬タメを作るのがポイントだと思います。(k-の場合なら、 ッカーと発音するイメージ)


上記の他に、次の11種類の二重子音があります。

Tips
実際の会話の発音では、二重子音の r, l の音は非常に弱く発音される傾向があります。例えば、ปลา plaa(魚)は、カタカタ的には「プラー」と発音することになりますが、実際には、ほぼ「パー」と発音するタイ人が多いです。

末子音

音節の最初に付く頭子音に対し、音節の最後に子音が付く場合があります。これを末子音といい、促音節と平音節に2種類があります。

促音節

「ッ」という音で終わる音節の末子音です。

-k「びっくり」と言うとみせかけ、「びっ」で止めるような発音。喉奥で締めて終わる。
-p「どっぷり」と言うとみせかけ、「どっ」で止めるような発音。口を閉じて終わる。
-t「まったり」と言うとみせかけ、「まっ」で止めるような発音。舌先を上顎あてて終わる。
-?「えっ?」と言うように、音を舌・唇・喉で止めない音

例: พัก พับ พัด พะ phák pháp phát phá

末子音はハッキリと発音するものではなく、言うなれば「音の閉め方」です。発音はできても、最初は聞き取るのが困難でしょうが、慣れるとちゃんと区別がつくようになります。また、最後の-?は短母音の末子音で表記しないことも多いようですが、発音としてはしっかり存在します。(タイ人が日本語を「アッ!リッ!ガッ!トッ!」のように発音してしまうのは、この末子音があるためです。)

平音節の末子音

-m日本語で「かんむり」と言うときの「ん」。口を閉じて終わる。
-n日本語で「あんない」と言うときの「ん」。舌先を上顎あてて終わる。
日本語で「おんがく」と言うときの「ん」。喉奥で締めて終わる。
-y語尾に軽く「イ」を添える
-w口をすぼめながら終わる。語尾に軽く「オ(ウ)」を添える

例: ทำ ทัน ทัง ไท เทา tham than thaŋ thaay thaw

日本人は -m,-n,-ŋ の発音の区別が難しく感じると思います(普段は無意識で区別しているので)。特に -n, -ŋ の音がやっかいでしょうが、慣れると案外簡単に発音できるようになります。また の音ですが、「ング」とグを強調して発音してはけません。

文法 基礎の基礎


ここでは簡単にタイ語の文法を紹介します。タイ語の文法上の大まかな特徴については以下の通りです。

文型は英語や中国語と同様の
主語(S)+ 動詞(V)+ 目的語(O)
英語の3人称や複数形・過去形などによる語形の変化は一切ない
修飾は後ろから
例:「美しい女性」
--> プーイン(女性)+ スアイ(美しい)
複合語がとっても多い
例:「洗濯機」
--> クルアン(機械)+ サック(洗う)+ パー(服)

基本文型

主語 + 動詞 + 目的語 : 〜は〜する
-->ผมกินข้าว
phǒm kin khâaw
ผม phǒm(私) + กิน kin(食べる) + ข้าว khâaw(ごはん)
主語 + 形容詞 : 〜は〜である
-->เขาสวย
kháw sǔay
เขา kháw(彼女) + สวย sǔay(美しい)
主語 + ไป็น pen + 名詞 : 〜は〜である
-->เขาเป็นคนไทย
kháw pen khon thay
เขา kháw(彼) + เป็น pen(〜である), คนไทย khon thay(タイ人)
主語(指示代名詞) + 名詞 : 〜は〜である
-->นี่สับปะรด
nîi sàpparót
นี่ nîi(これ) + สับปะรด sàpparót(パイナップル)

「これ/それ/あれ」などの指示代名詞の場合は、เป็น pen は不要となります。

修飾

タイ語は日本語と違い、修飾語を後ろにつなげていきます。タイ語で「美しい女性」と言うならば、ผู้หญิง phûuyǐŋ(女性) + สวย sǔay(美しい) となります。また、修飾語は幾つも連ねることができます。

-->บ้านใหญ่สวยๆ
bâan yày sǔay sǔay
บ้าน bâan(家) + ใหญ่ yày(大きい) + สวย sǔay(綺麗) + สวย sǔay(綺麗)

疑問文

タイ語の疑問文は、文末に疑問語付けるパターンと、疑問詞を使用するパターンに分かれます。

文末に疑問語を付ける

หรือเปล่า rʉ̌ʉ plàaw : 〜ですか?(事実を問う)

-->คุณเป็นคนไทยหรือเปล่า
khun pen khon thay rʉ̌ʉ plàaw

タイ人かどうか、これはボールペンなのかどうか、など客観的事実のYes/Noを問います。เป็น penを使用する文はこの形で問わなければなりません。

ไหม máy : 〜ですか?,〜しますか?(意志・意見を問う)

-->ไปไหม
pay máy

相手を誘ったり、意志・意見を問う場合に使用します。

疑問詞を使用する

疑問詞(英語でいう5W1H)を文中に置けば疑問文となります。英語のように語順を入れ替える必要はありません。

เมื่อไร mʉ̂aray : いつ

-->มาเมื่อไร
maa mʉ̂aray

ไหน nǎy : どこ

-->จะไปไหน
cà pay nǎy

ใคร khray : 誰

-->ใครบอา
khray bɔ̀ɔk

อะไร aray : 何

-->ทำอะไรอยู่
tham aray yùu

ทำไม thammay : なぜ

-->ทำไมเรียนภาษาไทย
thammay rian phaasǎa thay

ยังไง yaŋŋay : どのように

-->รู้ได้ยังไง
rúu dây yaŋŋay

否定文

否定する語の前に ไม่ mây を置きます。

-->ผมไม่ไป
phǒm mây pay
-->เขาไม่สวย
kháw mây sǔay
-->ผมพูดภาษาไทยไม่เก่ง
phǒm phûut phaasǎa thay mây kèŋ
※上手ではないという意味なので、เก่ง kèŋ の前に ไม่ mây を置く必要があります。

お勧めの本


はっきり言って、初学者用の本はどれを選んでも大差ないような気がするので、ここでは取り上げません。ここでは、初級から中級へステップアップするのにピッタリな本を紹介します。

間違いだらけのタイ語

中島 マリン,吉川 由佳 めこん 2004-06

日本人にとって理解しがたい表現、間違えやすい表現を通してタイ語の文法が学べる良書です。この本をマスターすれば、基本的な会話で困ることはありません。ワンランク上を目指し、「通じればいいや」では満足できない学習者におすすめです。

「まさか」をタイ語で言えますか?

ウィライ・トーモラクン 2006-11

「まさか」「〜すればよかった」「やっぱり!」などの口語表現をまとめた良書です。会話系の本では一番のお勧めです。発音記号も併記されているので、タイ語が読めなくても大丈夫です。
(いい本なのですが、廃刊になっている?のか、中古しか流通していないようです・・・)

やさしいタイ語―文字の読み書き

宇戸 清治 大学書林 1992-10

タイ語の読み書きが体系的に学べる本です。私はタイ語学校にも通いましたが、しっかり学習すれば、この本1冊だけでも読み書きはできるようになると思います。

中級タイ語総合読本―タイの社会と文化を読む

斉藤 スワニー,三上 直光 白水社 2005-12

タイの伝統や文化、宗教などを通じてタイ語を学べる中級者向けの学習書です。タイ語の読み物は文語形式がメインなので少し表現が硬いかもしれません。タイ文和訳の設問もあり、本格的に学習したい人向けだと思います。なお、発音の併記はありませんので、タイ語が読めなければなりません。